2016/08/22

■04

インタビュアー(以下「イ」):「本日はお招きいただきありがとうございます」

black(以下「b」):「いえいえ」

イ:「まさか取材に応じていただけるとは思わなかったので」

b:「よく言われますね。取材は別にキライではないです」

イ:「この空間含めて、イリュージュも全てご自身でお創りになったんですか?」

b:「ええ、そうです。楽ではなかったですが、自分は今までシステムエンジニアとして様々な規模のサーバーを構築しましたし、プログラマーとして多種多様な言語に触れてきました。なので、楽しくできましたね」

イ:「しかし、画期的なシステムですよね。今までパソコンに何らかのソフトをインストールしないとできないようなことが、ユーザー登録すればできるので」

b:「確かにそうですね。わかりやすいところだと、メール機能とかファイルのアップロード機能でしょうか。これらはコンピュータに何らかのソフトウェアが必要でした。イリュージュのメール機能はメールサーバーをそのまま使ってますし、ファイルアップロード機能はオンラインストレージですし」

イ:「今のところ大半の機能というかサービスが無料のようですが、今後は有料のサービスを増やしていく予定ですか?」

b:「あまり考えてないですね。自分はイリュージュで商売をするつもりはなくて、あくまでも趣味の延長なんです。まあ、運営費程度の金額が手に入ればいいかなって程度ですね」

イ:「広告収入ですか?」

b:「そうですね。すでに様々な企業からそういった話が来てます」

イ:「イリュージュは特定の国や地域だけでなく、全世界対応なんですね」

b:「ええ。特定の国と地域に絞ってしまうと面白くないと思ったので。これからはグローバル化ですからね。とは言っても、全員が全員登録するとは思わないです。今、世界の人口は100臆ぐらいですよね?だとしたら、1億人ぐらいでいいかなと」

■03

blackの存在は謎に包まれていた

様々なメディアからの取材に応じることはあっても、公の場に姿を現すことはなく、取材する側は、皆専用のオンラインチャットルームで「guest」というIDナンバーを付与され、そこでやり取りをするのみだった

無論、そこはblackの構築したサイバー環境であり、やり取りをしたログは全て削除するような仕様となっていた

男性なのか?
女性なのか?
そもそも人間なのか?

様々な憶測が飛び交っていた
確かなことは、blackがIT業界の寵児的存在である、ということだった

■02

blackは「イリュージュ」というソーシャルネットワーキングサイト(通称SNS)を構築し、運営していた

利用者に必要な作業はユーザー登録だ
その後は、専用のハードウェアやソフトウェアをコンピュータに導入することなく、すぐに様々な機能やサービスを無料で利用することができた

まさに「クラウドコンピューティング」の技術が為せるものだ

なお、「イリュージュ」はblackが単独で創り上げた

これは、blackが優秀なハッカーであり、様々なプログラミング言語を用いたサーバー構築や保守、ソフトウェア開発に携わってきたからこそ、できることなのだ

■01

ハンドルネーム「black」は優秀なハッカーだった

まだユーザーがコンピュータのハードウェア・ソフトウェア・データなどを、自分自身で保有・管理していた、「クラウドコンピューティング(Cloud Computing)」が普及する以前から、その技術を用いたシステムを構築し、実用化していたのだ

クラウドコンピューティングは、手元のコンピュータで管理・利用していたようなハードウェアやソフトウェア・データなどを、インターネットなどのネットワークを通じてサービスの形で必要に応じて利用する方式だ

システム構成図で、ネットワークの向こう側を雲(cloud:クラウド)のマークで表す慣習があることから、このように呼ばれる

■00

ナイトメア(Nightmare)は、悪い夢にうなされること、またその現象以外では、「悪夢を象徴する黒い馬」「悪夢を体現させる夢魔」を表す

インターネット等のサイバー空間上でのナイトメアにあたる行為は、クラッカー(cracker)によるセキュリティ破壊や個人情報の盗用・改竄・漏洩などだろう

なお、クラッカーは「ハッカー(hacker)」と呼ばれることも多いが、本来ハッカーはコンピュータ技術に精通した人々に対する尊称であり、悪い意味はない

このため、古くからインターネットに関わっている技術者などの間では、悪さを働く者のみを「クラッカー」と呼んで、ハッカーとは区別すべきであるとの主張もあるくらいだ