2016/08/17

※27

オレは京王八王子の近くに住んでいた
定期は乗り換えの回数を減らすため、明大前乗り換えではなく、敢えて新宿乗り換えにしていた

新宿から田町でも渋谷から田町でも車内の混み具合に変わりはない
山手線の渋谷・品川方面は品川まではとにかく混んでいる

オレも含め、9時出社組の影響によるものだろう
会社の稼働時間はどこもなぜ図られたかのように9時前後なのだろうか…

個人的には正午から、もしくは夕方、場合によっては夜間から始業するところがもっとあってもいいと思う
始業時間帯の集中による混雑自体がなくなれば、通勤ラッシュという言葉もなくなるだろう

※26

結局コマツさんと話せなかったなぁ…

まぁ、あれだけ新規の人がいたら無理だよね…

コマツさんだって体は1つしかないんだし…

※25

セミナーが終わると、私はマナミとすかいらーくに行くことになった
何年か前にすかいらーくは全てガストに変わったものだと思っていたので、逆に新鮮だった

これってある意味天然記念物だよね(笑)
すかいらーくに入ると、既にコマツさんがABCみたいなことをやっていた
なんか忙しそう…

「あの新規、今日来てたね。オールモストやるのがほぼ決まってたっぽいから、コマツさんも優先させたんだと思う」

「ああ、なるほど…」

「たぶん今日は新規で来てた人多かったみたいだから、ここいっぱいになりそうだし」

なぜかマナミは面白くなさそうに見えた

「じゃあ、今日はコマツさん大忙しだね」

「まあ、自分の取り分が増えるから別にいんじゃない~」

マナミはタバコに火を点け始めた

「どうかしたの?」

「別にどうもしないよ」

あ、なんかぞろぞろクリエイトホールにいたっぽい人たちが入ってきた

「さってと、混まないうちにトイレ行ってこよっと」

明らかにマナミは不愉快そうだった
まあ、たまたまそういう気分だったっていうことにしとこっと
にしても人が一気に増えたなぁ…

コマツさん大変そう
なんか手伝ってあげられないかな…

※24

当日はマナミと待ち合わせをすることにした
場所はJR八王子駅北口を出て、前に広がっている大通りを真っ直ぐ5分ほど進んだところにあった

来る途中にヨドバシカメラやほっかほか亭があり、それなりに賑わっていた
どうやら八王子クリエイトホールはいわゆる生涯学習センターのようだった

可変式の舞台のあるホール、レクリエーション室、展示室、視聴覚室、料理講習室、スタジオ、録音編集室、創作室、学習室などがあるようだ

「今日は一番上の階でやるんだよ~」

こないだの新宿でのセミナーと違い、今日のマナミはいつも通りの超ミニスカートと膝が隠れるサイズの黒いリボンが付いたロングブーツを履いており、今回は完全に生足の状態だった
髪もアップにしており、新しい人のための事業説明会にしてはやや刺激が強いファッションだと思った
客寄せの一環だろうか?

会場は最上階にある視聴覚室だった
室内は白を基調としており、大学にあるような階段状の講義室のようだった

だいたい4~50人ぐらい入れそうな広さだった
今回も会場は前の席から7~8割ほど埋まった状態になっていた

コマツがセミナーで話していた内容は前回とほぼ同じだったが、不思議なことに前回では頭でしかわかっていなかったところが、また改めて聴くことによって体に浸透し、靄のかかっていた視界がよりクリアになったような感覚があった

もっともコマツが話していたからだとは思うが…

※23

田町にはほぼ行きつけになっている『麻布ラーメン』というラーメン屋があった
ここ以外では浜松町や麻布十番などにも店舗があるらしかった

トッピングにネギやニンニクがあるのは一般的だが、それ以外にもやしのキムチがあったので、よくにサービスで食べられるライスに乗せて食べていた

無論ラーメンにも乗せたりしてみたが、個人的にはライスに乗せるのが好きだった
ピリッと来る辛さはあったが、コクがあるのでむしろ心地よかった

また、メニューの中に『とんこつキムチラーメン』があった
使われていたのは白菜キムチで、辛さはなく、むしろ甘味を感じるものだった

これが本場の味なのだろうか?
今までキムチは辛いだけという先入観があったが、それはいとも簡単に崩れたのは確かだった

あと、忘れてはならないのは『つけ麺』だろう
ピリ辛で濃いめのスープとしっかりとコシのある麺との相性は思いのほか良かった

実はラーメン自体もそれほど好きではなかったが、オレの味覚が変わったのか凝り固まり気味だった感覚が解放されたのか、週に1回は食べないと落ち着かなくなってしまった
いいことかどうかはわからないが…

※22

あれ?マナミから電話だ
何だろう?

「もしもし」

『あぁ~、ごめんね~。今だいじょぶ?』

「うん。どうしたの?」

『んと。今週の土曜にさ、セミナーあるじゃん。一緒に行かない?』

日程表…日程表っと

「うん。いいよ。あ、でもこの日って『新しい人のための事業説明会』って書いてあるけど、行っても大丈夫なの?」

『問題ないよ~。ていうか、日程表に載ってるセミナーは全部行った方がいいよ~。ってコマツさんも言ってたし』

「そうなんだ」

『それに~。あのセミナーの雰囲気っていうか空気ってさ、なんか違うじゃん。なんていうのかな…』

「ああ、なんかわかるかも」

『でしょ~。その空気を吸うだけでも結果に繋がるって言われてるしね~』

「へぇ…。まあ、それもなんとなくわかる気がする」

『だよね~。じゃあ、また土曜にね~』

「うん。じゃあね」

えっと、会場は『八王子クリエイトホール』かあ…
時間は13時…
どこにあるんだろう…

※21

「まさか、昨日の今日で振込みまでしちゃうなんて思わなかったよ~」

「早い方がいいんでしょ?」

「まあね~」

JR八王子駅南口にあるシャノアールは今日も空いていた

「あ、コマツさん来たよ~」

いつも通りのスーツ姿にボストンバックを持っていた

「お疲れ様で~す」

「おう。お疲れ。カオリさんもお疲れ様です」

「お疲れ様です」

「行動早いですね。間違いなく成功しますよ」

「そうなんですか?」

「今まで色んな人を見てきたのでわかるんですよ。すぐ行動する人とそうでない人では結果が大きく変わってくるもんです」

「へぇ…」

コマツに言われると、本当にその通りになるような気になるから不思議だ

「さて、では約束通りセミナーでは話さなかったことを話したいと思います」

コマツはボストンバックからA4のレポート用紙を取り出した

「このビジネスが流行らせる仕事っていうのはなんとなくわかってもらえたと思います。自分自身が広告塔となって、このビジネスチャンスを一緒に広める同志を集めるイメージですね」

「商品じゃなくて、ですか?昨日ちょっと調べてみたんですけど、商品をどれだけ流通させるかによって収入も変わってくるみたいなことがネット見てたら書いてあったので」

コマツはニヤリと笑った
『そう来ると思った』と言っているかのようだった

「確かにそれもあります。商品の流通によって収入に差が出るのは事実です。では、なぜビジネスチャンスを広める人を集めるって言ったかというと、その方が稼げるし、何よりも効率がいいからなんです。ちょっとイメージしてみて欲しいんですけど、オールモストの扱っている商品て消耗品ですよね?基本的にお客さんは浮気性です。つまり、商品を先に広めると、このビジネスの醍醐味である継続的な収入になりにくいということになります。ビジネスメンバーだって毎月定期購入してますし」

「ああ、なるほど…。確かにそう言われれば、そうですね」

「で、実際のビジネスの進め方なんですけど、喋らないでください」

「え?」

このビジネスは人に伝えていくものだと言われた矢先だっただけにカオリはコマツの真意を図りかねた

「もちろん、一言も話さないでくださいっていうことではないですよ。伝えるときにこのビジネスの全てを話さないでくださいっていう意味です」

「あ、そういうことですね。でも、なんでですか?」

「伝わらないからです。それに、やり始めの経験値が低い状態で話すとかえって逆効果です。例えば、相手から何かしら説明を受けるときに、よくわかってない人から受けると余計わからなくなりますよね?それと同じです」

「…確かにそうですね」

「マナミちゃんからこの話を聞いたときもそうだと思いますけど、どんなビジネスかは一切聞かされてなかったですよね?それと同じことをカオリさんもやればいいんです」

「はい…」

「コツは楽しむっていうことと興味付け、ですね。自分が楽しんでないものを他人が楽しめるわけがない。ということです。相手が聞きたいって言ってくる状態にすれば勝ちです」

「…なるほど」

「で、相手を聞きたいっていう状態にしたあとは今回みたいなセミナーに連れて来て下さい。日程表を今渡します」

その日程表はカレンダー形式になっており、左上にTOPAZと書いてあった

「トパーズって宝石のトパーズ、ですか?」

「そうですね。自分のグループ名でもあります。このビジネスはやっていくとどんどん人が増えてきます。ビジネスグループってヤツです。由来ですけど、トパーズは別名黄玉って呼ばれてて、確か最初に発見されたのが明治時代らしいです。当時はすごく貴重品として高く売れたみたいです。で、このトパーズっていうグループも全員が20代ばかりっていうほかのグループとは異色の存在なんです」

「ああ、トパーズみたいに貴重だからってことで。って感じですよね?」

「はい、その通りです」

コマツは屈託なく微笑した
カオリは胸がジワリと熱くなるのを感じた

「セミナーって土日が多いですね」

「自分のグループはなぜかサラリーマンが多いんですよ。彼らの多くは土日休みなもんで」

「もし、セミナーに連れて行けない場合はどうすればいいんですか?」

「そういうときは、マナミちゃんがやったみたいにその場で自分に電話してください。そして、こないだのように自分が話しに行きます。これは業界ではABCって言われています。自分はマケって呼んでます。マーケティングケアのことです。あ、じゃあ今連絡先交換しましょうか?」

「あ、はい」

赤外線通信を使うことにした

「さっきから色々話しましたけど、大丈夫ですか?」

「はい、問題ないです」

「じゃあ、最後にセミナーに連れてくるときとかマケのセッティングをするときに忘れずにやって欲しいのが、ティーアップです」

「え?ティー、アップですか?」

「はい。何かっていうと、持ち上げることです。マナミちゃんも言ってたと思うんですけど、例えば『スゴイ仕事』『スゴイ人に会える』とかですね」

「そういえば、言われた気がしますね」

「ティーアップしたときとそうじゃないときでは決定率が大分変わってきます。マナミちゃんはティーアップがとにかく上手いです。ね」

コマツは敢えてという感じでマナミを見た
今まで上の空状態だったマナミは我に返ったようだった

「あと、とりあえずは自分で紹介することだけを考えてください。当面の目標は4人です。4人ぐらい紹介できると、グループがだんだん大きくなってきます」

「はい。わかりました」

「ちなみにマナミちゃんは、今何人直紹介してたっけ?」

「カオリでちょうど4人ですね~」

「へぇ…」

「まあ、そんな感じでサクッと行きましょう」

「はい!」

季節は冬だったが、カオリの気持ちは夏のように暑くなっていた

※20

マナミがオレのモノをくわえている…

どんな顔をしているのかは角度的に見えないが、ただ単にくわえるだけに留まらず、舌先で舐め回し、転がしていた

きっとこの世のものとは思えない形相をしているに違いない…
お互いの性器を交えるのとはまた違った気持ちよさとくすぐったさ、そしてムズムズ感があった
それが、何度となく逝かされたあとだったとしても…

これで200メートルを全力疾走したぐらい体力を消耗させられる…
逆にマナミは今まで以上に元気になるようだった

カマキリはオスよりもメスが体が大きい…
ある意味理に適っているかもしれない

※19

そうだ
疑うわけじゃないけど、一応ネットワークビジネスってどんなものか調べてみようかな
コマツさんも調べてみてって言ってた気がするし
早速グーグルで検索してみよっと

……なんかいっぱい出てきた…
とりあえず一番上に出てきたのにしてみよっと

『ネットワークビジネスというのは、人と人のつながりによって商品の流通を発生させていくという、新しいスタイルの流通業です。
まず、ネットワーク企業というのが存在します。そのネットワーク企業というのはすべて製品を持っています。
製品のない会社は存在しません。
参加するためには、まず自分がその会社の製品を買います。
そして、ビジネスメンバーの登録をして、いよいよ活動開始です。
具体的な商品としては「化粧品」、「健康食品」、「健康器具」、「通信機器」等があります。
値段は一品が数千円のものから数十万円のものまで多数存在します。平均は1万円前後でしょうか。
そして、この製品を自分の影響力によって流通させていくことになります』

へえ…
確か、オールモストはサプリだって言ってたような…

『さて、収入はどのようにして得るのかについてです。従来の流通業を考えてみましょう。
この化粧品を売るために企業は、まず、広告をします。
そして、店舗を持ちます。
店舗を持つということは、お客さんが来るということです。
商品が1つ2つでは話になりません。
よって、いろいろな種類の商品を店頭に並べることになります。
ということは、お店はある程度在庫を確保しておくことになります。
そして、無人のお店では商売ができませんので、社員やアルバイトを雇用し給料を払います。
こう考えてみると、1つの商品が売れるまでには様々な出費があることがわかります。
この、様々な出費に商品の原価をたして、利益を上乗せして売るわけです』

ふ~ん…
わかるようなわからないような…

『さて、ネットワークビジネスというのを考えてみましょう。
商品を流通させて利益を出すのは同じです。
しかし、広告をする必要も、店舗を持つ必要も、社員やアルバイトを雇う必要もありません。
なぜなら、製品を購入している愛用者が口コミによって宣伝し、店対消費者ではなく、消費者対消費者で商品を売買します。
店舗がないので、当然、社員もアルバイトも必要ありません。
この様々な経費がネットワークビジネスでは浮くことになります。それを、製品を口コミで流通させているビジネスメンバーに還元しようということです。
浮いた経費は半端なものではありません。
その経費分が収入として入るのですから億万長者だって簡単になれるのです。
この還元される収入システムには、いろいろなものがあり、企業によって還元率も違います。
しかし、ほとんどの企業は、自分が商品を売った人が、さらに消費者を紹介すると、その人の消費額からも収入を得ることができるシステムをとっています。
つまり、自分の「子」だけではなく「孫」や「ひ孫」からもコミッションが入るということです。
この連鎖による流通で商品を流通していくのがネットワークビジネスなのです』

ああ…
だから、コマツさんは1人紹介すると…みたいなこと言ってたんだ

『では、ネットワークビジネスにはどうのような魅力があるのかというと、以下のようなものがあげられます。

・権利的収入なので収入に上限がない

これは、先ほど説明したとおり通りですね。
普通の商売では自分が売った分の収入しか入りません。
ネットワークビジネスならば自分の「子」や「孫」が売った分からも収入がありますので、権利的収入といえます。
よって、億万長者も生まれるわけです。

・初期投資が数千円から始められる

ビジネスを立ち上げるというのは非常にお金がかかるものです。
自分で商品を開発して、流通システムを作り、収入システムを作り上げるのです。
時間もお金も半端なものではありませんね。
そこで、FC(フランチャイズ)というビジネスが、今流行っています。
FCというのは、商品と流通システムと収入システムが最初からあります。
本部のノウハウをそのまま使うことができるのですから自分で1から作り上げるよりははるかに楽です。
しかし、「加盟金」、「保証金」、「研修費」、「宣伝費」、「不動産保証金」、「内装工事費」、「消耗品」などなど、かかる費用が半端じゃありません。
最低でも500万円、高ければ3000万円くらいかかります。
しかも、月商の3~5%をロイヤリティとして本部に支払わなければなりません。
これは、システムを買っているわけですから仕方がないことです。
しかし、ネットワークビジネスは、システムを買うのではなく、自分が流通システムの一部となるのです。
よって、初期投資は少なければ1万円前後、多くても数10万です。しかも、ロイヤリティも存在しません。
これは、ビジネスを始めたいけど資本がないという人にはぴったりのビジネスと言えるでしょう。

・副業として在宅でできる

FCでは始めるときに、会社をやめて独立するという形にしなければ時間的に経営していくのは不可能です。
「俺、サラリーマンだけどセブン○レブンの店長なんだあ」
ってやつはまずいません。
独立するのは半端な勇気と覚悟ではできませんよね?
まして、結婚していて、子供がいるなんてときは万が一にも失敗はできません。
しかし、子供が大きくなるのを待っていたのでは50才、60才になってしまいます。
ということは現在勤めている会社に終身雇用になってしまうわけです。
独立したいけど、会社をやめる勇気はない、そんな人でもできるのがネットワークビジネスです。
ネットワークビジネスなら在宅で自分のペースで仕事ができます。そして、ビジネスが波に乗ってきたら会社をやめて本格的に取り組めばいいのです。
あの「金持ち父さん」もいっていました。「はじめから会社を辞める必要はない。パートタイムのビジネスをもて」とね。

・難しい知識をはじめから必要としない

ビジネスを立ち上げるにあたっていくつか専門的な知識を必要とします。
これは、自分で勉強しなければならないのです。
もし、わからないことがあったとしてもそれを聞く人がいません。
ネットワークビジネスではこのような専門的な知識をほとんど必要としません。
それにもしもわからないことがあっても、自分のアップの人にきけばすべて教えてくれます。
これは、非常にやりやすい環境です。
なにしろ、自分がやろうとしていることを先にやってきている先輩が手取り足取り教えてくれるのです。
この教育システムはネットワークビジネスの大きな魅力です。

・時間的自由が手に入る

世の中にはお金持ちと呼ばれている人がたくさんいます。
「医者」、「弁護士」、「大企業の社長」。
これらの人はみなお金持ちです。しかし、もしも、この人たちがそのお金を使って「世界一周旅行」に出かけたらどうでしょうか? その人たちはそのあともお金持ちでいることができるでしょうか?
答えは「NO」です。
この人たちは自分の労働によって収入を得ています。
つまり、自分が働かなくてはお金が入ってこないということです。お金は歩けど時間がない、ということになるわけですね。
しかし、ネットワークビジネスでは自分の「子」、「孫」からの収入がほとんでです。
自分が何をしていようと収入がもらえる権利的収入ですから、時間的自由が手に入るのです。
あの「金持ち父さん」も」言っていました。「SクワドラントではなくBクワドランとになれ」とね』

なんかメリットばっかり書かれてる気がするけど…
おっと、次は『■ネットワークビジネスの罠』だって。何だろう?

『ネットワークビジネスというのはたくさんの魅力をひめたビジネスということがわかっていただけたと思います。
では、一つお尋ねします。
あなたの周りでネットワークビジネスをやっているかたはどのくらいいますか?
そんなにはいないでしょう。
ではなぜ?
それは簡単です。
こんな、都合が良いビジネスは「胡散臭い」からです。
ネットワークビジネスというのは低資本で始められるためリスクは少ないように思われがちですが、、実は大きなリスクがありました。
それは、「ネットワークビジネスがネットワークビジネスであること」です。
ネットワークビジネスというのは自分の持っているネットワークに商品を流通させるものです。自分の持っているネットワークというのは「友達」であったり「親戚」であったり「同僚」であったりします。もしあなたがこの「胡散臭い」ビジネスを勧められたらどうしますか?
「こいつ!こんな怪しいものを俺に紹介しようというのか!」ってなりますよね
私だったら、友達やめます。
つまり、ネットワークビジネスというのは自分のネットワークに商品が流通すれば収入はたくさん入りますが、実際には流通させることがとても困難である、ということです。
流通させることができなければ、収入は入りません。
そして、みんなやめていくわけです。
そんな方々がやめたときに言うセリフがあります。「ネットワークビジネスってインチキだよ」と。これがさらに業界の「胡散臭い」イメージとなっていくわけです。ですから、ものすごい悪循環をしているということですね。
さて、一生懸命自分のネットワークに商品を流通させようと自分の知り合いを勧誘したとします。
もちろん、「胡散臭い」ビジネスですがあなたが始めたわけですから、同じように考えて、始めてくれる人も中にはいるでしょう。
しかし、100人に5人くらいですね。
副業で、自分のペースで、って…100人にアポとって、呼び出して、説明して。
いったい何年かかるのか…それでいて断られた人からはどんどんと信用をなくしていくのです。
つらい…非常につらいビジネスです。
ネットワークビジネスにはたくさんの魅力がある裏側でこんな罠が仕掛けられていたのです』

そうなんだ…
まあ、でもそうかもね
あれだけメリットがあるっていうことはそれ相応のデメリットもあるはずだし…

『ではネットワークビジネスの成功は絵に描いた餅、机上の空論なんでしょうか。
しかし、実際に成功している人がいるのも事実です。
そのような人たちの成功の秘訣、それは、「成功するまでやめないことです」そうすれば、必ず成功します。
ネットワークビジネスのリスクを認識し、いくら断られてもがんばって勧誘し続ければ成功はするでしょう。  
しかし、そんなことはみんなわかっているのです。
それでも、つらくてみんなやめていってしまうのです。
では、断られて、友達をなくすのがいやな人はこのビジネスでは成功ができないのか?
さて、ここで発想を転換します。実はとっておきの方法があるのです。それについて考えてみましょう。
さてアメリカでは「商品を流通させる」為には大きく分けて2通りのやり方がある、と言われています。1つはセールス、もう1つはマーケティング、殆どの流通がこの2つに分類出来てしまうそうです』

2つに分けられちゃうんだ…。

『●セールスとは、積極的に売りにいく方法
●マーケティングとは、相手の方から買いに来る方法

ネットワークビジネスは、本来は「マルチ・レベル・マーケティング」という呼び方をしますので、本来は「マーケティング」の部類に入るはずなのです。
しかし、ほとんどのネットワーク活動において「セールス」の範囲でしか活動は行われていません。
商品の押し売り、差別化の押し売り、ビジネスチャンスの押し売り、セミナーへの動員、クロージング、ネットワークでやっている事は全てセールス手法の延長です。
では、「マーケティング」とはどういうやり方なのでしょう?
それは見込み度の高い人を集め、相手の方から、「私、やってみたいです。」と手を上げてもらう手法です。
そして、「売り手優位の商売」を行う事です。
客に媚びを売る商売はろくな商売になりません。
相手の欲しいものを提供し、あなたの方が優位な立場で商売をすることです。
これも、相手の方から寄ってくるマーケティング手法だからこそ、出来るのです。
セールス手法で押し売りをしておいて、「買っても良いし、買わなくても良いよ。」なんて事を言っていれば、誰も買ってくれないでしょう?
つまり、最初から従来のネットワークビジネスは歯車が狂っているのです。
正しくマーケティング手法に則って展開すれば、相手の方からあなたの所へやってきます。
そしてあなたは、自分が優位な立場を守ったまま、ビジネス展開する事が可能になるのです。
殿様商売こそが、楽しい商売です。これを実現する為には、「ノーマルなマーケティング手法」をベースに組織構築を行うことです。
そして、その組織構築こそがネットワークビジネスの成功の秘訣になっているのではないでしょうか』

う~ん…
確かに私も押し売りはイヤだね…
マーケティングかぁ…
相手の方から来る、かぁ…

ん?『ネットワークビジネス推進連盟』なんてあるんだ
これは何だろう?

『ネットワークビジネス推進連盟(NPU)は、連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)の地位向上などを目的とした政治団体。
「連鎖販売取引に対する世間の無知・無理解・誤解・偏見・勘違いに晒されている状態」から脱却することを目的とした政治連盟であり、その議員連盟として健全なネットワークビジネスを育てる議員連盟(NPU議連)が存在していた。
なお、従来から社会問題になっているマルチ商法という言葉は使わずに、ネットワークビジネスと言い換えている。健全なネットワークビジネスを育てる議員連盟と深い関わりを 持つ』

へえ…
政治家も関わってたんだ
なんかメリットでもあったのかな?

『健全なネットワークビジネスを育てる議員連盟は、かつて存在した日本の議員連盟。ネットワークビジネスと称する連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)を行う業者が加盟するネットワークビジネス推進連盟が支援していた。
ネットワークビジネス基本法の制定、薬事法の改正、をテーマに掲げて活動していた。
2003年9月に流通ビジネス議員連盟として石井一らにより発足。発足後、2008年1月、健全なネットワークビジネスを育てる議員連盟に改称。
2008年10月、議員連盟の事務局長である衆議院議員の前田雄吉が、業界から少なくとも1156万円の講演料と代表である政党支部への政治献金を受け取っていたことが新聞に記載された。
2004年3月から4年連続で衆院予算委員会分科会において、「一部の悪徳なマルチ企業によりまして、多くのまじめな業者が迷惑している」と発言。
政府の産業構造審議会小委員会に業界側委員を加えるべきだとなど業界擁護の質問を続けてきた。
講演料や政治献金は違法性は無いが、講演料を支払ったマルチ業者の一部が業務停止命令を受けていたことから道義的責任を取り、前田は民主党離党し次期総選挙への不出馬を表明した。
民主党幹事長の鳩山由紀夫は、献金に違法性はなく、前田議員が事務局長を務めたマルチ商法支援の議員連盟は「すでに解消させてもらっている。もう今は存在していない」と説明した。
同月18日、民主党の副代表であり、当議連を開設した石井も450万円の政治献金を受けていたことが分かった。
これに対し石井は「特別な趣旨はなく、あくまで政治活動に対する献金」と回答している』

やっぱり…
みんなお金お金なんだね
なんかこういうのはヤダな…
コマツさんはこういうの知ってるのかな
今度聞いてみよっと

※18

セミナーが終わって、私はマナミと会場に来る途中にあったロイヤルホストに行った
喫煙席と禁煙席で分かれていたけれど、禁煙席は人がいっぱいだった
みんなやっぱりタバコの煙の中でご飯食べるのは好きじゃないのかな

「喫煙席にレッツゴー、だね~」

正直、私はイヤだった
喫煙席はなんか空気が良くないし、あとで服とかに付いた臭いが変な臭いになることが多いんだよね

「空いてるね~」

「みんなタバコの煙の中でご飯食べるのがイヤなんじゃない?」

「そうかもね~」

いつも思うことだけど、マナミって私に限らず人の話聞いてないように見えるんだよね
それにマイペースだし…
なんかストレスとか全然なさそう

「お!いい席見っけ~♪」

マナミは奥にある席に壁側を背にして座った

確かに周りに誰もいなく、人の出入りもそれほどなさそうな場所だけにちょうど良かった
私は基本的にこういうところで、見ず知らずな他人の大して興味を引かない会話が耳に入るような状況は好きじゃないんだよね
ファミレスは特に席と席の間が狭いからホントに鬱陶しい

「あ、コマツさんだ」

コマツは例の高そうなルイヴィトンのボストンバックを肩に担いだ状態でやってきた
何が入ってるんだろう?
実は何も入ってないってオチだったりして

「結構色々入ってますよ。資料とか」

え?何で私の考えていたことがわかったんだろう?

「顔に書いてありましたよ」

コマツは『全てお見通しだぜ』と言っているかのような顔をしていた
おかしいな…
表情に出したつもりはないんだけどな…

「このビジネス長くやってるとわかるようになるんですよ。人間てちょっとした心の動きも表情に出てしまう生き物なんでね」

「へえ…」

そういうものなんだろうか?
よくわからないけれど…
まあ、コマツさんがスゴイというのはわかるけどね

「では、本題に移りましょう。セミナーでも話したんですけど、ネットワークビジネスって聞いたことありますか?」

「ありますね。授業でちょこっとなら。でも、ほとんど出てなかったので、詳しいことはわからなかったです」

「なるほど。聞いてみてどうでした?」

「とにかく、すごかったです。こんな仕事があるんだなって思いましたね。やってみたいです!」

「そうですか…。大学はどうするんですか?」

「辞めちゃおうかって考えてます。なんか飽きてきちゃったので。もうほとんど行ってないですし」

ポーカーフェイスだったコマツに一瞬だが、『コイツ本気か?』という表情が浮かんだ

「カオリ~。そんなことして大丈夫~?」

「うん。だって、これ以上大学にいるメリットないし…」

マナミは何かを促すようにコマツをチラリと見た

「なるほど…。わかりました。では、忘れないうちにこの登録用紙に名前とか住所とかを書いておきましょうか」

ああ、確か2コマ目に言ってた定期購入が必要とかってヤツだよね
口座は今わかんないなぁ

「わかるところだけでいいですよ」

さすが、コマツさん…
何でもお見通しなんだね…
それとも私が分かりやすいだけ?

「で、この用紙はなくさないでください。必要事項を全て埋めて、所定の金額を振り込み終わったら、マナミちゃんに教えてあげてください。そしたらセミナーで話しきれなかったことをまた改めて話したいと思います」

「はい。わかりました!」

一歩前進した、かな?
とりあえずこの書類、帰ったらさっさと仕上げちゃおっと