2016/08/15

※12

オレには古傷があった
小学生とか中学生ごろに小指を骨折したり、転んで足にやや激しめの擦り傷を作ったりした
それが何の前触れもなく、時々痛むことが未だにある

既に15年は経過しているにも関わらず…
時々思い出す…
既に男女関係を精算した元カノと呼ばれる連中たちを…

その大半が2~3ヶ月ほどで終わっていた
しかし、思い出すときは鮮明に思い出す…

彼女たちが醸し出していた空気感…
触れ合っていたときの感触…
そして、匂いや味…

その中の1人にカオリがいた

あまりに唐突な出会いと別れ…
そして、何よりも記憶に新しい…

また、あのときに戻りたいとは思わないが、それでも時々思い出す…

※11

移転の日が来た
場所は熊本になるとのこと
しかも、その知らせを受けたのが、実際に移転をする1週間ぐらい前とは…

まぁ、そういう会社なのだろう
以前働いていたいわゆるブラック企業と同じようなニオイを改めて感じた
おそらくこの会社は今回の移転を期に人員整理をするつもりなのだろう

地方移転の1番のメリットは、やはり経費削減
加えて雇用促進に貢献したということで、国から助成金が出るらしかった
世間体も保てるのだろう

ここまで狙いが見え透いていると、逆に抵抗したくなるのが人間の性というもの
幸い、世間の景気も良くなって来ていることもあり、移籍先もたくさんあった
なぜか、会社からは提示はなかったが…

選ぶ基準は収入アップ、都内、今よりもラクそうな仕事…
それが田町にある勤務先だった

田町、と言われたら何を想像するだろうか?
オレは最初ピンと来るものがなかった

品川の隣?
次の駅は浜松町か?
という状態だった

駅前にある森永乳業のビルを始め、基本的にはオフィス街だが、それ以外の顔も持っていた
名前はよく覚えていないが、南口に運河があった

残念ながら水はそれほどキレイではなかったが、その運河の近くにいると、殺伐とした日常を一瞬だけ忘れることが出来た

やはり、腐っても汚くても水。ということなのだろうか…
それとも、オレの心がささくれすぎていただけだろうか…

気がつくと、昼休みはほぼ確実にその運河のところにいた
危うくそのまま仕事場に戻るのを忘れそうなこともしばしばあったが…

それだけ思いのほか居心地がよかった、ということなのだろう