2016/08/07

§20

シュウは、その男か女かわからない、白い衣類を身につけた人物から目を離せなかった

微動だにしなかった
ほぼ確実に死んでいると思われるが、突然動き出す気配も感じられた

!?

何者かに触れられた気がし、シュウは振り返った
しかし、誰もいなかった

その区画は、街灯のない行き止まりだった
通りから死角になる場所で、無音で、空気の流れも感じられなかった

シュウは向き直った
白い人物は姿を消していた



もう1度振り返り、向き直ってみた
人影らしきものは見当たらなかった



無音のままだった
暗くて、黒いままだった

§19

!?

シュウの胸の、ちょうど心臓のある辺りから、刃の切先が出ていた

池の真ん中にある噴水が、ちょうど作動したところだった
水が放物線を描くように噴出するタイプだった

シュウの足元は、見る見るうちに紅く染まっていった
多少の粘性を伴った紅い液体が、一定のペースで滴り落ちていた

光りや音のない、黒くて暗い世界が見えた
噴水は、白い線で縁取りされているだけだった

§18

なんかさ、いつもと違ったね

気持ちよかった?

うん
でも、なんか変な感じ

変て、何が?

何だろう…
今までで1番気持ちよかったんだけど、次はないみたいな、これっきりみたいな…



やっぱり終わっちゃうのかな…



日の光り、月の明かり
いずれも届かない部屋

雨が壁に当たる音、雨戸を打つ音、ともにテンポが遅くなっていた