2016/08/02

§13

雨が壁に当たる音、雨戸を打つ音
テンポはかなり速かった

日の光り、月の明かり
いずれも届かない部屋

雨の音に、カナエの、高い喘ぎ声が混じっていた
シュウの、動きの強弱に関わらず、常に一定の高さだった

カナエとの関係が始まったのは、大学生のころだった
人として嫌いではもちろんなかったが、好きというほどでもなかった

身長は155cm前後で、取り立ててスタイルがいいわけでもなく、綺麗でも可愛いわけでもなく、何をやっても中途半端で、ただ目の前にあるもの、やってくるものをこなしているだけ、という印象だった

もう少し経てば、好きになるのだろうか?
収入のない状態が続けば、貧民街に送り込まれるらしいが、実際はどうなのだろうか?

シュウの動きがいつになく激しくなった
背中には汗の粒がいくつも浮かんでいた

機械的なカナエの喘ぎ声が、1オクターブ程度上がり、これまでなかった艶やかさも出始めた
部屋に響いていた雨音は、完全に掻き消されていた

§12

カナエの瞳には、蛍光灯以外何もない、暗い天井が映っていた
隣では、汗ばんだシュウが静かに寝息を立てていた

白を基調とした、物らしき物が何もない部屋
壁にかけられた時計が、時を刻む
その音が辺りに反響していた

閉め切られた雨戸から日光が漏れてくることはなかった
曇っているからだろうか

シュウとの付き合いは、大学生のころからだった
なぜこのような関係になったのか、未だによくわからなかった
嫌いではもちろんなかったが、好きではなく、どれほど付き合いを重ねても好きになることはなかった

身長は160cm前後で、高いとは言えなかった
取り柄のようなものはなく、何をやっても中途半端な印象だった
無論、そういった内面は外面にも滲み出ていた

このまま腐れ縁となるのか
もう2〜3年程度経てば変わってくるのか
その可能性にかけたいのか

よくわからなかった

シュウは寝返りを打った
手が胸の膨らみに、脚と脚も触れ合い、全体的に密着度が上がった

意図的なものではなさそうだった

カナエの手が、シュウの、下半身の敏感な場所を弄り始める
情のない機械的な動きだった
そして、無駄のない的確さも併せ持っていた

§11

4〜5階建ての、マンションと思われる建物だった

無機質でメカニカルな外観
凝ったデザイン
エントランスには、オートロックのパネルや観賞植物が設置されていた

外壁の所々や、奥に階段があると思われるガラス張りの箇所には、蔦が這っていた
特に、ガラス張りの箇所に繁っていた

や…
見ちゃ、いや…

潤んだ、小動物のような黒目
白く、透明感のある、滑らかな触感をした素肌
細身ながら、出るところは出ている、メリハリのあるボディライン
女性は、蔦が局部を隠している以外は、何も身に付けていなかった

シュウの口元に、歪んだ笑みが浮かんでいた
瞳には、繁った蔦が映っていた