2016/08/02

§13

雨が壁に当たる音、雨戸を打つ音
テンポはかなり速かった

日の光り、月の明かり
いずれも届かない部屋

雨の音に、カナエの、高い喘ぎ声が混じっていた
シュウの、動きの強弱に関わらず、常に一定の高さだった

カナエとの関係が始まったのは、大学生のころだった
人として嫌いではもちろんなかったが、好きというほどでもなかった

身長は155cm前後で、取り立ててスタイルがいいわけでもなく、綺麗でも可愛いわけでもなく、何をやっても中途半端で、ただ目の前にあるもの、やってくるものをこなしているだけ、という印象だった

もう少し経てば、好きになるのだろうか?
収入のない状態が続けば、貧民街に送り込まれるらしいが、実際はどうなのだろうか?

シュウの動きがいつになく激しくなった
背中には汗の粒がいくつも浮かんでいた

機械的なカナエの喘ぎ声が、1オクターブ程度上がり、これまでなかった艶やかさも出始めた
部屋に響いていた雨音は、完全に掻き消されていた

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